超伝導量子エレクトロニクス研究チーム

主宰者

主宰者名 中村 泰信 Yasunobu Nakamura
学位 博士(工学)
役職 チームリーダー
略歴
1992日本電気株式会社基礎研究所 研究員
1997日本電気株式会社基礎研究所 主任
2001同 主任研究員
2001デルフト工科大学(蘭) 客員研究員
2002理化学研究所 フロンティア研究システム フロンティア研究員
2005日本電気株式会社基礎・環境研究所 主席研究員
2008理化学研究所 基幹研究所 客員研究員
2012東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 教授
2012同 先端科学技術研究センター 教授 (現職)
2014理化学研究所 創発物性科学研究センター 量子情報エレクトロニクス部門 超伝導量子エレクトロニクス研究チーム チームリーダー (現職)

研究室概要

当チームの主要研究テーマは超伝導量子情報エレクトロニクスにまつわる物理と工学である。超伝導回路内では、量子ビットや共振器および伝送線路などの回路要素上にマイクロ波のエネルギースケールを持つ励起により担持される量子情報を操作することが可能である。我々はそのような電気回路上に人工的に構築された量子系の上で精密な量子状態制御や観測を行うための新しいテクノロジーを開発している。これらの技術は、量子計算・量子シミュレーション・量子通信・量子センシングなどの量子情報科学への応用が期待されている。

研究分野

物理学、工学、量子情報科学

キーワード

超伝導
量子情報
マイクロ波量子光学
量子ビット
量子コンピュータ

研究紹介

超伝導量子集積回路

当チームでは、中規模の量子計算ユニットの実現を目指して、超伝導量子集積回路とその周辺ハードウェアの開発を行っている。そのためにはチップ上の多数の量子ビットを精確に制御・観測することが要請される。より具体的には長いコヒーレンス時間を持つ量子ビットや、精確かつ完全に同期した量子ゲート、量子限界に迫る低雑音高速量子ビット読み出しなどが必要とされる。回路のパッケージング・配線技術・制御用のハードウェアなども重要な開発要素である。

量子ビット集積回路とその実装の概念図

 

伝導回路上のマイクロ波量子光学

超伝導電気回路の上では、抵抗によるエネルギーの散逸がない。マイクロ波共振回路の中には交流電流が長時間流れ続け、伝送線路上では信号が減衰せずに伝搬する。これを量子の言葉で記述すると、マイクロ波の「光子」が共振回路に閉じ込められ、伝送線路に沿って伝搬していくことになる。一方、超伝導量子ビット回路も共振回路同様にキャパシタやインダクタを用いて構成される。インダクタの一部に超伝導体間のトンネル接合であるジョセフソン接合を用いることにより実現される、非線形性の極度に強い共振回路となっており、マイクロ波光子を高々1個しか蓄えることができないことが特徴である。

これらの構成要素、すなわち量子ビット・共振回路・伝送線路を組み合わせることで、マイクロ波の光子の量子状態を自在に制御するための格好の舞台が実現する。自由空間上の電磁波と異なり、電気回路上を伝搬する電磁波は実効的に0次元(量子ビット・共振器)や1次元(伝送線路)の空間に閉じ込められている。そのため電気的制御によって効率よくマイクロ波光子を生成・検出したり、任意の量子力学的重ね合わせ状態を実現することが可能になっている。また伝送線路上の伝搬を制御したり、干渉させたりすることもできる。このような技術の量子情報科学への応用を提案し、検証を行っている。

超伝導量子ビットを用いたマイクロ波単一光子検出器
(a)試料模式図、(b)回路模式図、(c)エネルギー準位図と動作パルスシーケンス、(d)検出量子効率の量子ビット駆動パワーおよび信号周波数依存性、(e)量子効率の駆動パワー依存性

メンバー一覧

中村 泰信 Yasunobu Nakamura

チームリーダー yasunobu.nakamura[at]riken.jp R

池上 弘樹 Hiroki Ikegami

専任研究員

Kun Zuo

特別研究員

Kirill Shulga

特別研究員

河野 信吾 Shingo Kono

基礎科学特別研究員

楠山 幸一 Koichi Kusuyama

テクニカルスタッフI

日塔 光一 Koh-ichi Nittoh

テクニカルスタッフI

Laszlo Szikszai

テクニカルスタッフI

浦出 芳郎 Yoshiro Urade

訪問研究員

Arjan Ferdinand van Loo

訪問研究員

研究紹介記事